ジェレミー・ジアンビは、高い出塁能力で「マネー・ボール」時代のアスレチックスを支え、2001年の「The Flip」の当事者としても記憶される左打者です。通算出塁率は.377でした。
ジェレミー・ジアンビは、いつも別の大きな物語の中にいた。兄はアメリカン・リーグMVPのジェイソン・ジアンビ。所属したアスレチックスは、後に『マネー・ボール』で野球界を変えたチームとして語られる。そして本人の名前が最も繰り返し映像に残るのは、デレク・ジーターの「The Flip」で本塁タッチアウトになった走者としてだった。それでも、ジェレミー自身も6年間メジャーでプレーし、通算出塁率.377を残した打者だった。
カリフォルニア州サンノゼで生まれ、カリフォルニア州立大学フラートン校から1996年ドラフト6巡目でロイヤルズに指名された。1998年にメジャーデビューし、2000年2月にアスレチックスへ移籍。そこで兄ジェイソンと同じユニホームを着いた。兄のような圧倒的な長打者ではなかったが、ボール球を振らず、四球で塁へ出る能力はオークランドの打線に合っていた。
2001年の地区シリーズ第3戦、アスレチックスはヤンキースを相手に2勝0敗と王手をかけていた。テレンス・ロングの打球で一塁から本塁を狙ったジェレミーに対し、右翼からの送球は本塁まで届かないように見えた。だが、デレク・ジーターが一塁線付近まで走り込み、ボールを拾ってホルヘ・ポサダへバックハンドで送る。ジェレミーは本塁直前でアウトになり、ヤンキースは1対0で勝利。その後シリーズを逆転した。野球史ではジーターの判断力を象徴するプレーだが、その映像のもう一人の中心には、最後まで本塁を狙ったジェレミーがいる。
翌2002年、兄ジェイソンはFAでヤンキースへ去った。ジェレミーはオークランドに残ったが、5月にジョン・メイブリーとのトレードでフィリーズへ移籍した。『マネー・ボール』の物語では、選手を数字で評価するチームの象徴的な存在として知られながら、そのチーム自身からシーズン途中に放出されたことになる。それでもジェレミーの打者としての特徴は変わらなかった。通算では打率.263に対して出塁率.377。ヒットを打てない日でも、四球で打席の価値を残せる選手だった。
その後はフィリーズ、レッドソックスでプレーし、2003年が最後のメジャーシーズンになった。通算510試合、372安打、52本塁打、209打点。スターとして長く中心に立った兄とは違い、ジェレミーのメジャー生活は短かった。それでも、兄弟で同じアスレチックスに立ち、「マネー・ボール」の時代に参加し、ポストシーズン史に残る一瞬の当事者になった。2022年2月、47歳で亡くなった。
ジェレミー・ジアンビの名前は、兄やジーターを語る時に出てくることが多い。だが、その間にいた本人も、投手にストライクを投げさせ、四球を価値に変えるという、当時のオークランドが重視した野球を体現していた。誰かの物語に映り込んだ選手ではなく、その時代の野球を構成した一人として見ると、残したものの形が変わって見える。
年度別成績、契約情報、フルアーカイブ。
| 年度 | チーム | 試合 | 打数 | 得点 | 安打 | 2B | 3B | 本塁打 | 打点 | 盗塁 | 四球 | 三振 | 打率 | OBP | SLG | OPS |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1998 | KC | 18 | 58 | 6 | 13 | 4 | 0 | 2 | 8 | 0 | 11 | 9 | .224 | .343 | .397 | .739 |
| 1999 | KC | 90 | 288 | 34 | 82 | 13 | 1 | 3 | 34 | 0 | 40 | 67 | .285 | .373 | .368 | .741 |
| 2000 | OAK | 104 | 260 | 42 | 66 | 10 | 2 | 10 | 50 | 0 | 32 | 61 | .254 | .338 | .423 | .761 |
| 2001 | OAK | 124 | 371 | 64 | 105 | 26 | 0 | 12 | 57 | 0 | 63 | 83 | .283 | .391 | .450 | .841 |
| 2002 | OAK | 42 | 157 | 26 | 43 | 7 | 0 | 8 | 17 | 0 | 27 | 40 | .274 | .390 | .471 | .862 |
| 2002 | PHI | 82 | 156 | 32 | 38 | 10 | 0 | 12 | 28 | 0 | 52 | 54 | .244 | .435 | .538 | .974 |
| 2003 | BOS | 50 | 127 | 15 | 25 | 5 | 0 | 5 | 15 | 1 | 26 | 42 | .197 | .342 | .354 | .696 |
| 通算成績 | — | 510 | 1417 | 219 | 372 | 75 | 3 | 52 | 209 | 1 | 251 | 356 | .263 | .377 | .430 | .807 |
| 年度 | 年俸 |
|---|---|
| 1999 | $200,000 |
| 2000 | $228,000 |
| 2001 | $282,500 |
| 2002 | $1,065,000 |
| 2003 | $2,000,000 |
通算合計: $3,775,500 (5 シーズン)
シーズン平均: $755,100
年俸データは1985年以降が対象です。
TGNの年俸表示は基本年俸を示しています。サイニングボーナス・会計上の按分額・ラグジュアリータックス用の値は、確認できる場合に別途記載します。