レッドソックス時代のデビッド・オルティーズ

ダビッド・オルティス

指名打者 ·左打・左投 ·MLB ·1997年〜2016年 生年月日:1975年11月18日 出身:Santo Domingo(ドミニカ共和国)

Photo: Parker Harrington (cropped to 4:5) · CC BY 3.0 · source

オールスター ×10 シルバースラッガー ×7 殿堂入り
通算
2472安打 ・ 541本塁打 ・ 1768打点 ・ 17盗塁
打率 .286 ・ OPS .931 ・ 2408試合
2016 シーズン
打率 .315 ・ 38本塁打 ・ 127打点 ・ 2盗塁
出塁率 .401 ・ 長打率 .620 ・ OPS 1.021

デビッド・オルティーズは、指名打者を打線の中心へ押し上げ、勝負どころの一打でレッドソックスの歴史を変えた左の強打者です。

デビッド・オルティーズ――放出された打者が、ボストンの時間を動かした

ミネソタを放出された時、デビッド・オルティーズは27歳だった。マリナーズ傘下からツインズへ移り、メジャーには到達したものの、故障と不安定な出場機会の中で定位置をつかみ切れなかった。2002年シーズン後に自由契約となる。同じ頃、レッドソックスはアスレチックスで「マネー・ボール」の象徴となるチーム作りを進めていたビリー・ビーンをGMに迎えようとしたが、実現しなかった。その後、28歳のセオ・エプスタインがGMとなり、ボストンは選手の価値を従来とは違う角度から見直そうとしていた。

オルティーズは、その新しい時代の入口で1年125万ドルの契約を結んだ。最初から絶対的な主砲として迎えられたわけではなく、複数の一塁手・指名打者候補の一人だった。獲得には、同じドミニカ共和国出身のペドロ・マルティネスによる推薦もあった。データだけで発掘された「マネー・ボールの選手」ではない。しかし、市場で十分に評価されていなかった27歳の打者を安価に獲得し、その価値を大きく引き出したという意味では、当時のボストンが進もうとしていた方向を象徴する補強になった。14年後にボストンを離れる時、オルティーズは球団史を代表する選手になっていた。

2003年途中から打席を増やすと、翌2004年には打線の中心になった。そしてヤンキースとのリーグ優勝決定シリーズで、名前が記録から伝説へ変わる。0勝3敗で迎えた第4戦、延長12回にサヨナラ本塁打。翌日の第5戦でも延長14回にサヨナラ安打を放った。11日間で3度のサヨナラ打を記録し、レッドソックスはメジャー史上初めて0勝3敗からシリーズを逆転した。86年間止まっていたワールドシリーズ制覇まで、オルティーズの打席が何度もチームの時間をつないだ。

「勝負強い」という言葉だけでは、打者としての中身を狭くしすぎる。2005年にはメジャー最多148打点、2006年には球団記録となる54本塁打を記録した。四球を選びながら左方向にも長打を運び、投手が内角を攻めればそこを引っ張る。指名打者は守備に就かない選手ではなく、毎日相手投手の計画を壊す打線の中心になり得ることを、長い期間示し続けた。引退時には541本塁打、632二塁打、1786打点を残し、指名打者としての485本塁打は歴代最多だった。

2013年、ボストンマラソン爆弾事件の後には、選手としてだけでなく街の前に立った。その年のポストシーズンでも、タイガースとのリーグ優勝決定シリーズ第2戦で8回に同点満塁本塁打を放つ。ワールドシリーズでは16打数11安打、8四球でMVPを獲得し、レッドソックスは再び世界一になった。2004年には長く続いた呪いを終わらせ、2013年には傷ついた街のシーズンを最後まで支えた。三度の優勝は、それぞれ違う意味でオルティーズのキャリアに残っている。

最後の2016年も衰えて終わったわけではない。40歳でアメリカン・リーグ最多の127打点を記録し、打率.315、38本塁打を残して引退した。2022年には資格取得初年度で野球殿堂入り。レッドソックスでは背番号34が永久欠番となった。放出された27歳の指名打者が、ボストンで三度世界一になり、最後の年まで打線の中心を務めた。

引退後も、オルティーズはレッドソックスと野球の外へは出ていない。球団では特別補佐を務め、FOX Sportsでは2017年からフルタイムのアナリストとして活動している。2026年もアレックス・ロドリゲスデレク・ジーター、ケビン・バークハートとFOXのMLBスタジオを担当し、WBCでも同じメンバーが中継の中心に立った。現役時代には打席でヤンキースと戦った男たちが、今は同じ机を囲んでいる。その中でもオルティーズは、分析だけでなく番組を動かす人物のままである。

選手能力レポート

左の長打力だけでなく、投手の配球を崩し、最も重い場面でも自分の打席を変えない。

打撃
大きな身体と強い引っ張りだけで打つ打者ではない。外角球を左中間へ運び、内角へ入れば右方向へ強く引っ張る。四球を選べるため、投手はボール球だけで逃げ切れず、ストライクゾーンへ戻った球を長打にされた。長打力と出塁を同時に維持できたことが、長期間にわたり打線の中心でいられた理由だった。
守備・役割
主な役割は指名打者だが、単に守備を免除された強打者ではない。打順の中央で相手投手に最も大きな負荷をかけ、終盤には一打で試合を終わらせる役割を担った。通算20本のレギュラーシーズンサヨナラ打に加え、2004年ポストシーズンでは11日間に3度のサヨナラ打を記録した。
強み
最大の強みは、相手と状況が変わっても打席の判断を狭くしないことだった。長打が必要な場面でも無理に早打ちせず、四球を選び、反対方向へ運び、最後に自分の球を仕留める。2004年の連続サヨナラ打や2013年ワールドシリーズの11安打8四球は、単なる大胆さではなく、重要な場面でもストライクゾーンを崩さなかった結果だった。
リスク
守備と走塁で価値を補う選手ではないため、打撃状態が落ちれば出場価値も直接下がる。キャリア中盤には手首やアキレス腱などの故障もあり、下半身や軸足の状態は長打力に影響した。また、指名打者は打席の失敗後に守備で試合へ入り直せない。打撃だけで毎日価値を作り続けること自体が、この役割の最大の難しさだった。
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詳細データ

通算記録

年度別成績、契約情報、フルアーカイブ。

年度別打撃成績
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年度 チーム 試合 打数 得点 安打 2B 3B 本塁打 打点 盗塁 四球 三振 打率 OBP SLG OPS
1997 MIN 15 49 10 16 3 0 1 6 0 2 19 .327 .353 .449 .802
1998 MIN 86 278 47 77 20 0 9 46 1 39 72 .277 .371 .446 .817
1999 MIN 10 20 1 0 0 0 0 0 0 5 12 .000 .200 .000 .200
2000 MIN 130 415 59 117 36 1 10 63 1 57 81 .282 .364 .446 .810
2001 MIN 89 303 46 71 17 1 18 48 1 40 68 .234 .324 .475 .799
2002 MIN 125 412 52 112 32 1 20 75 1 43 87 .272 .339 .500 .839
2003 BOS 128 448 79 129 39 2 31 101 0 58 83 .288 .369 .592 .961
2004 BOS 150 582 94 175 47 3 41 139 0 75 133 .301 .380 .603 .983
2005 BOS 159 601 119 180 40 1 47 148 1 102 124 .300 .397 .604 1.001
2006 BOS 151 558 115 160 29 2 54 137 1 119 117 .287 .413 .636 1.049
2007 BOS 149 549 116 182 52 1 35 117 3 111 103 .332 .445 .621 1.066
2008 BOS 109 416 74 110 30 1 23 89 1 70 74 .264 .369 .507 .877
2009 BOS 150 541 77 129 35 1 28 99 0 74 134 .238 .332 .462 .794
2010 BOS 145 518 86 140 36 1 32 102 0 82 145 .270 .370 .529 .899
2011 BOS 146 525 84 162 40 1 29 96 1 78 83 .309 .398 .554 .953
2012 BOS 90 324 65 103 26 0 23 60 0 56 51 .318 .415 .611 1.026
2013 BOS 137 518 84 160 38 2 30 103 4 76 88 .309 .395 .564 .959
2014 BOS 142 518 59 136 27 0 35 104 0 75 95 .263 .355 .517 .873
2015 BOS 146 528 73 144 37 0 37 108 0 77 95 .273 .360 .553 .913
2016 BOS 151 537 79 169 48 1 38 127 2 80 86 .315 .401 .620 1.021
通算成績 2408 8640 1419 2472 632 19 541 1768 17 1319 1750 .286 .380 .552 .931
受賞歴・主な実績
  • ALCS MVP (1): 2004
  • Babe Ruth Award (1): 2013
  • Hank Aaron Award (2): 2005, 2016
  • MLB Players Choice Outstanding Player (1): 2005
  • Outstanding DH Award (8): 2003, 2004, 2005, 2006, 2007, 2011, 2013, 2016
  • Player of the Month (4): 2005, 2006, 2007, 2010
  • Player of the Week (6): 2004, 2005, 2006, 2007, 2011, 2015
  • Roberto Clemente Award (1): 2011
  • Silver Slugger (7): 2004, 2005, 2006, 2007, 2011, 2013, 2016
  • This Year in Baseball Best Player (1): 2016
  • This Year in Baseball Hitter of the Year (2): 2004, 2005
  • This Year in Baseball Postseason MVP (1): 2013
  • TSN All-Star (5): 2004, 2005, 2006, 2007, 2016
  • World Series MVP (1): 2013
オールスター選出

2004, 2005, 2006, 2007, 2008, 2010, 2011, 2012, 2013, 2016

年俸 / 契約 詳細

年俸・契約の要点

年度 年俸
1998$170,000
2000$220,000
2001$260,000
2002$950,000
2003$1,250,000
2004$4,587,500
2005$5,250,000
2006$6,500,000
2007$13,250,000
2008$13,000,000
2009$13,000,000
2010$13,000,000
2011$12,500,000
2012$14,575,000
2013$14,500,000
2014$15,000,000
2015$16,000,000
2016$16,000,000

通算合計: $160,012,500 (18 シーズン)

シーズン平均: $8,889,583

年俸データは1985年以降が対象です。

TGNの年俸表示は基本年俸を示しています。サイニングボーナス・会計上の按分額・ラグジュアリータックス用の値は、確認できる場合に別途記載します。

契約詳細

よくある質問

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Data: Lahman Baseball Database (CC BY-SA 4.0), Cot's Baseball Contracts, Retrosheet.