フランバー・バルデスセサル・サラサルが、5回表に2度サインを違えた。1度目はグランドスラムになった。2度目は93マイルのシンカーがサラサルの胸部プロテクターを直撃した。

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2025年9月2日、ニューヨーク・ヤンキースヒューストン・アストロズ。ダイキンパーク。アストロズは76勝63敗でア・リーグ西地区首位、シアトルに3ゲーム差をつけていた。ヤンキースは77勝61敗。バルデスが先発マウンドに上がった。ただし、正面にいたのはいつもの相棒ではない。

2025年のバルデスの先発26試合中23試合でマスクをかぶってきたヤイナー・ディアスは、この日DHで起用された。控え捕手のビクター・カラティーニは脳震盪でIL入りしていた。サラサルに出番が回った。

4回までバッテリーは機能していた。5回表、2アウト満塁。打席にトレント・グリシャム。カウント1-0。サラサルはピッチコムでカーブを要求し、バルデスにステップオフを促す手振りを送った。バルデスは降りなかった。シンカーを投じた。グリシャムが左中間へ運ぶ。グランドスラム、358フィート。6-0。

次の打者アンソニー・ボルペ。カウント1-0からの2球目、サラサルは再びピッチコムでカーブを要求した。バルデスが投げたのは93マイルのシンカーだった。ボールはサラサルの胸部プロテクターに直撃した。構えができていなかった。

サラサルは立ち上がり、マスクを外し、マウンドを見た。バルデスは背を向けてマウンドに戻った。声はかけなかった。

バルデスは5回6失点で降板。最終スコアは7-1、ヤンキースが勝ちアストロズは敗れた。

試合後の取材でバルデスは、シンカーに頭がロックされてピッチコムのコールが聞こえなかったと説明した。意図的ではなかったと繰り返した。「もっとひどい登板もあった。誰かにぶつける理由はない」。イニング終了後にベンチでサラサルに謝り、試合後にはロッカーでも話し合ったという。ジョー・エスパーダ監督にも経緯を伝え、ホームランへの報復ではないと説明した。

サラサルは、グランドスラムの場面でピッチコムのボタンを押し間違えたと語った。球場が騒がしく、ヤンキースにとって大きな場面だったと振り返った。「あの瞬間の緊張感にやられた。彼は後で謝ってくれた」。バルデスとの関係は3年にわたり良好だと話した。

話はその夜のクラブハウスで終わらなかった。翌日、複数のチームメイトがバルデスに詰め寄り口論になった。コーチが仲裁に入った。争点は2つ。サインの行き違いは意図的だったのか。なぜバルデスは直後にサラサルへ声をかけなかったのか。

エスパーダ監督は9月3日の会見で、直接顔を合わせて話したかったと述べた。真実を聞きたかったからだと語り、この件を終わりにしたいと話した。

9月3日、バルデスが先発した。サラサルがマスクをかぶった。バルデスは7回を無失点で投げた。

サインの行き違いは野球で起きる。ほとんどは次の投球までに忘れられる。これは忘れられなかった。