クリスチャン・バスケスが4投手の全141球を受け、2022年ワールドシリーズ第4戦でノーヒッターを完成させた。11月2日、フィラデルフィアのシチズンズ・バンク・パークで行われた一戦はヒューストン・アストロズが5-0で勝利。ワールドシリーズ史上2度目のノーヒッターであり、継投によるものは史上初だった。

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「とんでもない試合だった。なんて戦いだ」。試合後、バスケスはそう言った。

アストロズはシリーズ1勝2敗で第4戦を迎えていた。前夜の第3戦は0-7、被本塁打5の大敗。その翌日に、9イニング、3時間25分をかけてヒットをゼロに抑えた。5回表の5得点で主導権を握り、投手陣はその援護を無駄にしなかった。

「試合前から始まっていた」とバスケスは語った。「こういう舞台で戦うために来た。それがこんな形になるなんて、もっと特別だ」。

ワールドシリーズでノーヒッターが達成されたのは、1956年10月8日のドン・ラーセン完全試合以来だった。あの日、マスクをかぶっていたのはヨギ・ベラ。66年の時間が二つの試合を隔てている。変わったのは投手運用の構造そのものだった。

ベラは一人の投手を受けた。バスケスは四人を受けた。球種も配球の論理も投球リズムも異なる四人の投手に対し、捕手だけが最初から最後まで座り続ける。先発完投の時代から分業制へ。その変化のなかで、継投ノーヒッターにおける捕手は唯一の一貫者になった。

ベラ以来66年ぶりのワールドシリーズ・ノーヒッター捕手となった感想を問われ、バスケスは一言答えた。「特別だ。この試合は一生忘れない」。

先発クリスティアン・ハビアーは6回を97球で投げ、63球がストライク。被安打ゼロ、四球2、奪三振9。バスケスはフォーシームを要求し続けた。

「あいつを受けた中で最高の出来だった」とバスケスは振り返る。「いつ要求しても効果的。打席に誰が立っていても関係ない」。ハビアーのフォーシームは落ちない。「縦に上がっていく。あいつの直球が落ちるのは見たことがない」。ライアン・プレスリーはハビアーを「リーグで最も過小評価されている投手」と呼んだ。

7回、ブライアン・アブレウが登板した。15球で3者三振。ハビアーとは球速帯も変化の質も異なり、打者は適応する時間を与えられなかった。8回のラファエル・モンテロはわずか10球。4回以降、アストロズは17者連続アウトを記録した。最後の18アウトのうち11が三振だった。

9回はプレスリー。1アウト後にカイル・シュワーバーに四球を与えた。この回唯一の走者だった。

「不安は大きかった」とバスケスは9回を振り返った。「相手は強いチームで、強力な打線。一球ずつ遂行するしかなかった」。カイル・タッカーが地面すれすれのライナーを好捕し、2アウト。最後はJ.T.リアルミュートのゴロをアレックス・ブレグマンが処理し、一塁送球でゲームセット。

「ブレギーのグラブに打球が収まった瞬間、一気に来た」とプレスリーは言った。ノーヒッターを意識していたかと問われると、「考えないようにしていた」。

バスケスは2022年8月のトレードでボストンからヒューストンに移った。アストロズではマルティン・マルドナードが主戦捕手を務め、バスケスはハビアー登板時の専属捕手として起用が固まった。トレードからワールドシリーズまで約3ヶ月。その短い時間の先に、この試合があった。

試合後のバスケスの受け答えは、すべて「俺たち」で語られていた。個人の記録として語った場面は一度もない。「シリーズをタイに戻せてうれしい。ホームで決められる」。視線はすでに次の試合に向いていた。

ノーヒッターは4人の投手の名で記録された。141球すべてを受けたのは、一人の捕手だった。